軽くしましょう!

心理療法の用語で
「名詞化」
という概念があります。

行動に名前をつけることで
動かない、重たいものとして
認識してしまう性質です。

「人間関係でずっと苦しんできた。
そのせいで、自尊心はボロボロだし、
やる気も無くなった。」

という訴えがあったとします。

「人間関係」とか「自尊心」といった
名詞の部分をちょっと工夫して、

「ずっと、人と関係を持つために、苦しんできた。
そのせいで、自己を尊重できずに、ボロボロだし、
自分自身をやる気に、させられない。」

このように言い換えると
なんとか出来る気になってくるから
不思議ですね。

普段はこれと逆のことをして
身もフタもなくなっているのが
名詞化の弊害なわけです。

 

名詞化してしまったものを
あぶり出す方法に
次のようなものがあります。

1.見えるか、聞こえるか?
2.名詞を絵に描いてみる
3.進行中の~と言ってみる

1.行動や状態は目に見えません。
「人間関係」を見たり聞いたりできませんね。
そういうものは先ほどの例のように、
動きやすい印象の言葉に言い換えられます。

2.「自尊心」や「やる気」を
絵に描くことはできませんから、これらも
動きやすい印象の言葉に言い換えられます。

3.「進行中の人間関係」などのように意味を
なせば、「名詞化」された言葉ですから、
動きやすい印象の言葉に言い換えられます。

 

心理療法というと、難しくて
自分とは無関係に思いがちですけど、
有害な自己暗示を外すために、
今日の話を使うことが出来ます。

たとえば、
「自分は貧乏だ!」
と言う代わりに
「いま、お金が少ない」
と言うべきだし、

「虚弱体質だから、、、」
と言う代わりに
「敏感に反応する性質なので、、、」
と言うべきなのです。

「貧乏」とか「虚弱体質」という
ありがたくない状態は
名詞にして重みをつけてしまっては
変え難くなってしまいます。

もっと軽く考えるために
ぜひとも名詞化された
困った状態を動かして下さいね。