プロの一撃

ボイラーってご存じですか?

設備系の仕事じゃないと
あまり縁がないものですけど、
ものすごく大雑把に言うと
温水や蒸気をつくって
暖房や動力として使うための
大きな機械装置です。

大雑把すぎて
気を悪くされた技術者の方、
ごめんなさい!

 

さて、昔は汽船と言って、
蒸気機関を動力源とする船が
一斉を風靡していました。

映画をご覧になった方は、
タイタニック号が煙突から
煙をモクモクさせていたのを
覚えているでしょう。

あれは石炭を燃料とした
ボイラーが動力源だったので、
SLみたいなものですね。

私はボイラーマンに憧れて
ボイラー1級まで合格しましたが、
今やそれを使っているのは
ごく限られた現場だけ(ーー;

でも今日のお話は
「ボイラーを懐かしんで」
ではありません。

汽船のボイラー修理を依頼された
ある技士の伝説的な逸話です。

 

技士は故障の症状を聴くと、
頭上を迷路のように曲がりくねった
パイプをながめたり、

蒸気が漏れる音に耳を傾けたり、

パイプに触ってみたりして
時を過ごしましたが、

やおら作業服のポケットから
ひとつの小さなハンマーを取り出すと、
それで小さなバルブを叩きました。

それだけでエンジンは再び
快調に動き出したのです!

後日送られてきた請求書は
当時の金額で1,000ドルでした。

今のお金でいくら位か
見当もつきませんが、
汽船のオーナーもびっくり!

「修理はほんの一撃だったはず!」と
明細書の提出を求めました。

 

再度送られてきた明細は
以下のとおりの記載でした。

・ハンマーの一撃  0.50ドル
・一撃の場所を見つける作業 999.50ドル
・合計 1,000.00ドル

オーナーに通じたかどうか、
とにかくプロの仕事というのは
こうでなくてはイケませんね(^^v

入念で周到な準備の末、
実際の作業は鼻歌まじりで
ちゃんと結果を出す!

技術系に限らず、
本当のプロはそろって
そうみたいですよ(^^;

私たちも心がけましょうね!