ちょうどいい!

靴屋の論理について。

職業的な詭弁を
皮肉ったものです。

お客様が靴を買いに来て、
もし靴が少しきついようならば、

「ちょうどいいですね!
好い革は履いているうちに
少し伸びますから、
すぐにピッタリとフィットします!」

もし少しゆるいようならば、

「ちょうどいいですね!
好い革は履いているうちに
足に馴染んで締まってくるので、
すぐにピッタリとフィットします!」

もし、きつくもゆるくもなければ、

「ちょうどいいですね!
好い革は伸びも縮みもしませんから、
いつまでもフィットして
形がくずれませんよ!」

と言うのだそうです。

3つ並べてしまうと
いい加減な言葉と気づきますが、
ひとつずつ言われたら

「なるほど、好い革って
そんなものなんだな、、、」

と納得してしまうでしょう。

洋服で言えば
派手な柄も地味な柄も、
どちらも理由をつけて

「お客様にピッタリです!」

で締めくくる事が出来ます。

要は、お客様が選んだものを
いかに自信を持たせて
購入に至らせるかの勝負です。

もう少し芸が細かいところでは、
例えば呉服屋において
京都出身のお客様には

「大阪の糸ですけど、
京都で織らせております!」

と言い、

大阪出身のお客様には

「京都で織らせていますが、
糸は大阪のものです!」

と言うそうです。

どちらも事実は同じですが、
最後の言葉で、
印象が逆転しています。

このように
優秀なセールスマンなら
お客様のフィードバックを
逐次読み取りながら、
高価なものでも安物でも、
最新モデルでもロングラン商品でも、
お客様が関心を示したものが、
いかに優れた製品で、
それに目をとめたお客様が
いかに目が高いかを褒めそやし、
気持よく財布の紐を
緩めることが出来るのです。

まぁ、客の方でも
満足を買ったと思えば
実害無しですけどね(^^;