カミナリ親父はどこへ行った?

その男は、自転車でやって来て
吸い終えたタバコを
当然の顔で投げ捨てました。

すぐ近くで掃除しているお年寄りや、
路地を隔ててにらみつけている私の視線に
気がつくこともなく。

後には火が点いたままで
煙を上げているタバコだけが、
今度もまた無実の罪で
嫌われるために残りました。

私の視線はともかく、
掃除をしていたお年寄りを
自転車男はよけたのだから、
見えてはいたけれど
お年寄りの行為の意味が
解らなかったと言うべきですね。

一度でも掃き掃除の経験があれば
タバコやガムや食べ物の包み紙など、
道ばたに捨てる気にはならないでしょう。

甘やかされて育ち、
幼児のまま発達を止めた頭脳で
今まで齢をとってきて、
人の気持ちを考えることもなく
死んでいくのでしょうか?

なんとも悲しい話ですが、
その男だけが悪いのでもありません。

昔だったら、
少なくても私の育った
東京下町だったら、
カミナリ親父的なお年寄りがいて、
怒鳴りつけられる場面です。

私もその役目を放棄したのだから
偉そうなことは言えないのです。

数時間後、シルバーシートに
子供を座らせて
スマホに夢中になっている
母親を見かけました。

子供もゲームに夢中で
すぐ近くに立っているお年寄りに
気がつかない様子でした。

今度はさすがに
どうにかしようと思いましたが、
馬鹿親が逆ギレしたら
かえってお年寄りを困らせるので
また役目を放棄しました。

その代わり、私に出来るやり方で
カミナリ親父になりましょう。

メルマガやSNSを通じて
してはイケないことや
しなくてはならないことなどを
毒づいていこうと思います。