南の島のセールスマンたち

セールスのお話です。

こんな話を
一度は聴いたと思います。

二人のセールスマンが、
南の島に赴任してきました。

二人の商品は靴です。

その島の先住民は誰一人
靴をはいていませんでした。

二人は会社に連絡を入れました。

A:この島は駄目です。
靴をはく習慣がありません。

B:この島はイタダキです!
まだ誰も靴をはいていません!

こうして、どんな状況も
ポジティブに受けとるBさんは、
先住民すべてに対して
独占販売を成功させました。

めでたし、めでたし。

島の先住民にとって
靴をはく習慣が幸せかどうかなど
この際関係ありません。

たとえ水虫が流行っても、
薬を売って儲けるだけです。

まぁ、それは冗談として、
実はこのお話にはもっとやり手の
Cさんバージョンがありました。

Cさんがまずやったのは、
先住民にタダで靴を配る事です。

先祖代々、
裸足で暮らしてきた彼らです。

いくらもの珍しくて便利そうでも、
すべての先住民がいきなり
靴の購入には至らないでしょう。

そこでまずは子どもや怪我人から
さも親切げに靴をばらまいて行って、
生活の中に靴を浸透させます。

その上で靴の修理屋を開き、
すり減ったり穴の開いた靴を
わずかな工賃で直してあげるのです。

そのときに店内には、
もう少しかっこ良くて素敵な靴が
なにげなく飾ってあって、
こうしてジワジワと
靴は先住民の心に入り込んで
必需品となって行きました、、、

どうです?
Cさんアクドイですね!

でも、もしもCさんが、
先住民の死亡原因となっている
感染症を予防するために、
なんとか知恵を絞って
先住民に靴をはかせようとしているなら
Cさんの行いはどうでしょう?

こうしてみると、
実際の行いそのものだけでは
その人となりはわかりませんね。

ましてやそれが、
人づてに伝わってきた
単なるうわさ話だったら、、、