もう一度、あんなに誰かを愛せるか?

人間というやつは、一生のうちに
何かに夢中にならんとな。
何でもいいから夢中になるのが、どうも、
人間の生き方中で一番いいようだ。
– 井上靖 –

子供の頃、簡単に思い出せるのは
まずはラジオカセット。

いま思うと何がそんなに好かったのか
ちょっと分かりませんけれども
カタログを見てはニタニタ、
自転車で秋葉原まで現物を見に行っては
動かぬ相手をじっと眺めて
幸せに浸ってました。

究極の一台はとうに決まっていて
そのくせ最後に買ったのは
なぜか全くの別物。
小学生だったので、現地で「これ」と指定して
遅れて帰宅した姉夫婦が持ち帰ったものを観て
キツネにつままれた思いがしました。

不条理について考えました。

その後も自転車、ギター
オートバイ、彼女と続きますが
いつも詰めが甘いのは
三つ子の魂百までなのでしょう。

冗談はともかく
あれほど夢中になったのは
20代前半が最後かもしれません。
あんな素敵な時期を
もう一度取り戻しませんと