秘すれば花

人は、月が雲で隠れると残念に思い、
花が風で散ると寂しく思います。
しかし、雲や風があるからこそ、
月を愛で、花を愛おしく感じられるのです
– 熊沢蕃山 –

昔のエロ本やピンク映画は
絶妙な角度で肝心なところを隠していました。
あるいは、もっと安直に
黒く塗りつぶしてあったり、モザイクがかかったり
「見えそうで見えない」状態でした。
それだからこそ、余計に妄想が湧いて
健全な欲望が育っていったのだと思います。

今みたいにあからさまだと
逆にどうでもよくなってしまって
近頃の若者が異性に無関心だったり
関心の持ち方が歪んでいるのも
きっと関係があるに違いありません。

それなら、暴力にも無関心になれば
好さそうなものですが、
はけ口を失ったエネルギーを発散するには
最も安直な表現方法なのでしょう。

昔も今も
識者の思惑は外しっぱなしなようです