気張り

古本屋で洋書をぱらぱらめくってみると、
よく、第一ページだけ丹念に辞書を引いたらしく、
ぎっしりと書き込みがあり、
二ページ以下、全く新品同様という本がある。
あれは悲しい
– 伊丹十三 –

本に書き込みをしたり
ラインマーカーを引いたりするのは
性格的にできない方です。

学校の教科書と割り切れば平気ですけど
それでもできれば
ノートに原文を写して
それに書き込みをしたい方です。

無駄な性格だと思います。

だから、私の持ち物には
冒頭伊丹氏の仰るような状態は
基本的にあり得ないのですが、
ブックオフやアマゾンのお陰なのか
昔に比べれば古本に抵抗がなくなったので、

そう、昔は古本も、ページをめくったら
消しゴムのカスが出て来そうで
机の上で恐る恐る読んでいた方でしたが、

とにかく今の古本は清潔で、
でも、ラインマーカーや書き込みは
当然のごとくありますね。

それが全体に渡っていると
前の持ち主の勤勉さに敬服しますが
初めの数ページだけとか
余程自分の意見と一致する箇所だけ
丹念にマーカーしてあったりして、

あれは悲しいですね。

やたら気張って書き始めて
何日かで終わっている日記を
苦々しく読み返すときと
ちょっと似た気分です