忙しいのは誰のせい?

忙しいですか?

返事がYesでしたら
注意が必要です。

と言っても、過労死とか
家族とのきずなの話とかは
他の方におまかせして、
忙しかったら、
自分の仕事が下手でないか
気をつけましょうという
お話です。

 

昔、横浜の大きなビルの
中央監視室にいたとき、
ビル全体の空調を担当している
何人かの人たちがいました。

同じ部屋にいたので
段々と様子がわかってくると、
ある人はやけに忙しそうで
別の人は余裕を見せていることに
気がつきました。

同じ仕事を
やっているようなので
余裕の人がサボっているとか
楽なポジションなのでなく、
温度湿度を一定幅に保つのに、
ある人はバタバタして
別な人は動きが少ないのです。

さらに驚いたことに、
バタバタの人がやっている日は
暑い寒いの苦情が多く、
余裕の人の日は
苦情がほとんどないことに
気がつきました。

直接質問する機会は
とうとうありませんでしたが、
おそらく次のようなことが
起こっていたのでしょう。

 

まず明らかな違いとして、
バタバタさんは忙しすぎて
ずっと装置に張り付いていましたが、
余裕さんはときどきふらっと、
館内をまわっていました。

温度や湿度は数字ですけど、
それ以外の要素、例えば明るさとか
騒音とか臭いとか、
私たちの感覚に影響するものは
結構たくさんあります。

余裕さんが現場を観ているので
お客さん目線で数字を読めるのに対して
バタバタさんは厳しい表現ですが
独りよがりなわけです。

 

もうひとつ、
これは想像なのですが
バタバタさんは
余計な事をしているのです!

余計というのは言いすぎですが、
100点を目指してすべてやろうとして
けっきょく中途半端になって
かえって苦情をもらうことになる。

それに対して余裕さんは
合格点を目指してやるべき事を絞り、
それが功をなしているのです。

パレートの法則でいうなら、
8割の快適さを目指して
重用な2割の仕事に絞るから
暇そうにさえ見えるというわけ。

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パレートの法則

経済において、全体の数値の大部分は、
全体を構成するうちの
一部の要素が生み出しているという理論。
80:20の法則、ばらつきの法則とも呼ばれる。
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どうでしょう?

忙しいと周囲が見えなくなり、
忙しくしているのは
他ならない自分なのですから、
もし今、忙しいと感じているなら
バタバタさんにならないよう
気をつけた方が好いかもしれません。