普通の人なのに

人間は制服どおりの人間になる
– ナポレオン・ボナパルト –

確かに、中学生の頃
学ランのホックを外すとそれだけで
優等生意識はなくなってしまい、
長いスカートやだぶだぶのズボン、
服ではないけど、つぶしたかばんなど、
初めは形から入っていって
やがて立派な不良に育ちました。

冒頭の名言で、「制服」を
「役割」に変えてみると、
今日教わった、恐ろしい話に
結びつきます。

それは、『監獄実験』という
研究についてのお話です。

報酬をもらって集まった人たちを
「囚人」と「看守」のグループに分けて、
それぞれの役割を演じていく中で、
精神状態の変化を観察するというものです。

時間の経過とともに
看守役の人たちに異変が起きました。

囚人役の人に対して、
勝手に罰則を与え始めたのです。

はじめは軽微なものでしたが、
だんだんと重い罰に変化して行き、
精神状態に問題が出てきたので
実験を中止せざるを得なかったほどでした。

もともとは普通の人たちなのに、
与えられた役割を演じていく中で
その役割にふさわしい性格に
変化してしまったのです。

この力は恐ろしいと同時に、
使いようによっては好い方向に
働かせることも出来ます。

つまり、制服と役割を
うまく使って、
自分がなりたい自分を
演じるところから始めるのです。

仕立てのいいスーツや
ブランド物の時計やメガネ、
高級な靴などで身を固め、
仕事が出来る、頭が切れる役割を
演じきるのです。

はじめはぎこちないでしょうが、
やがて看守役の人たちのように
変化が現れてきます。

ぜひお試し下さい。