肩書きにつぶされた男

不自然にから威張りする
興味深い人に会いました。

初対面は腰が低いのだけど
何かの拍子に自分の優位性を
ひけらかそうとするのです。

私はその人と
なんの利害関係もなく、
別にどっちが上だろうが下だろうが
まったく関係ないのですが、
あそこまで不自然にアピールされると、
別な意味で興味が湧いてきます。

それでその人について、
仮にYさんと呼びますが、
複数の人にインタビューしてみました。

それでわかったのは、
Yさんはかつて、偶然手に入ってしまった
「責任者」という肩書きと、
それが手に入る原因となった
数ヶ月に及ぶ長時間労働というか、
長時間拘束につぶされたのでした、、、

Yさんはその業界ではシロウト入社でした。

しかも、最初に入るには
選んではいけない会社でした。

知識も経験もないYさんは
名義上の「責任者」にされてしまい、
月間40勤務という、
計算の合わない拘束を受けました。

「責任者」であるYさんは、
「知らないから教えてくれ」という
当然の言葉を奪われました。

たまたま耳にした断片的な知識に
シロウトなりの解釈を加えて、
私が見てもそら恐ろしい
とんでも知識体系が形成されました。

「責任者」ですから
新入社員に何か言う必要があります。

しかしたいていの新入社員は
Yさんより知識というか、
業界の常識を持ち合わせています。

そこでYさんは苦肉の策で
「心構えを説く作戦」
に出ることにしました。

だから知識的に追い詰められると
ムキになって説教が始まるのです。

しかも困ったことに
自分が誰かにたしなめられたことを
そのまま横流しするので、
たいていの場合は意味が解らないし、
事情を知っている人からは
馬鹿にされるのです。

私がYさんに冷たすぎると
あなたは思ったかもしれませんが、
ご本人を前にしたら
きっと意見が変わると思います。

Yさんを入社当時から知っている
お爺さんが言っていました。

「Yは責任者にされて終わった、、、」

不運ではありますが、
自分で気をつけるしかないですね。