孤独をいつの間にか寂しがりやと勘違いして

孤独は山になく街にある。
一人の人間にあるのではなく
大勢の人間の「間」にあるのである
– 三木清 –

大学生の頃
キャンパスで発作的に不安感に襲われ
友だちを探したけど見当たらない。

小さな大学だけど
学食にも図書館にも人が溢れていて
それでも知った顔が居ないか
別の連れと忙しそうに笑っていたり
怒っていたりする。

どうにもたまらなくなって
指導教授を訪ねて
どうでもいい話をしようと思ったが
出張で留守。

途方に暮れて
そのまま教授棟の屋上に出て
上から人波を俯瞰すると
あら不思議、不安がおさまった。

たぶんさっきの不安は
孤独感だったのだと気がついて
それ以来、同じような時は
一人になるようにしています