思いやりは想像力

人の身になって考えるというのは
難しいことです。

先日、整形外科の待合室で、
印象に残ったことがありました。

松葉杖もままならない、
脚を怪我したばかりらしい女の子が、
立ち往生していたのです。

原因は、さほど広くもない廊下で、
ベンチから足を投げ出るように座っている、
高校生くらいの男の子でした。

普通の人ならば十分よけて通れますが、
松葉杖初心者にはキツイです。

なんで私に解るかというと、
以前足を複雑骨折して、
同じ状況に苦しんだからです。

「ギプスをしているのだから安心だろう」

と、思われるかもしれませんが、
よく観てみると違うことが解ります。

怪我をしたばかりの頃なら、
まだ「シーネ」という簡易なものだけです。

治りかけの頃なら、補助装具をつけて
少しずつ体重をかけていることもあります。

どちらも心臓がバクバクするくらい
本人にとっては恐ろしいのです。

たとえギプスだとしても、
慣れない松葉杖は予想以上に難しく
階段はとくに困りました。

それからある程度以上の人混みだと、
杖をついていることを
気がついてもらえなくなります。

経験してみないと解りませんが、
だからと言ってすべてを経験できるわけもなく、
その必要もないでしょう。

なにかと慌ただしいですから
ときどきで好いと思いますけど、
自分の作業、
仕事に限らず本を読むとか
スマホをイジるとかを中断して、
自分以外の人に
目を向けるのはどうでしょう?

本当のことは解らなくても、
「解かろう」と意識するだけでも
ずいぶん違ってくると思います。

 

と、偉そうに言っておいて、
足を投げ出して座っていた少年の方に、
実は何かの事情があるのかどうか、
そこまでは考えが至りませんでした^^: